遺品整理が進み、家具や衣類を分け終えたあとに、耐火金庫だけが部屋に残ることがあります。見た目は収納家具に近くても、広島市は耐火金庫を「市では収集しないごみ」として案内しており、大型ごみの予約へ回すことはできません。
同じ耐火金庫でも、重さは一様ではありません。メーカーの現行製品には25kgの小型製品もあれば、292kgの大型製品もあります。鍵が見つからないのか、本体がどれほど重いのか、階段や出入口を通せるのかで、依頼先へ伝える内容は変わります。
故人宅に残った金庫では、中を開ける話と、建物から運び出す話を分けて考える必要があります。
耐火金庫は、広島市の大型ごみには出せない

広島市の「市で収集しないごみとは」では、耐火金庫を市が収集しない品目の例に挙げ、販売店に引き取ってもらうか、専門の処理業者へ依頼するよう案内しています。引っ越しなどで一度に多く出る「一時多量ごみ」とも別に記載されています。
遺品整理でほかの家具が大型ごみの対象になっても、耐火金庫まで同じ予約に含められるわけではありません。金庫本体を市の大型ごみへ出せる前提で退去日を組むと、最後に行き先が決まらない品だけが残ります。
外寸が近くても、重さは型式で変わる

エーコーの現行製品情報では、小型耐火金庫BES-9の質量は25kg、大型耐火金庫NCS-20は292kgです。いずれも耐火金庫ですが、同じ運び方を想定できる重さではありません。
これは対象の金庫の重量を示す数字ではなく、型式による差の例です。本体にメーカー名や型式が残っていれば、メーカーの製品情報から質量や外寸をたどれます。表示が読めず重量が分からない場合は、軽い金庫だと決めず、重量不明のまま伝えるほうが実物との食い違いを避けられます。
鍵がない金庫は、開錠と搬出を分けて考える

扉が閉まったままなら、内容物はその場では確かめられません。一方、広島市のごみ区分は金庫本体の種類で分かれており、鍵がないから耐火金庫を大型ごみへ出せるようになるわけではありません。
開錠を依頼することと、重量物の搬出・処理を依頼することは別の作業です。同じ依頼先が両方を扱う場合でも、見積りに含まれる範囲が開錠までなのか、室外への搬出までなのかは同じとは限りません。中を確認してから本体を動かしたい場合は、開錠と搬出の順番も依頼内容に関わります。
建物から出せるかは、重さだけでは決まらない

金庫の質量が分かっても、建物から出せるかどうかは重量だけでは決まりません。設置階、階段の幅と曲がり、エレベーター、玄関までの段差によって搬出条件が変わります。
耐火金庫には床へ固定できる構造を持つ製品もあるため、床や壁との接続を見ないまま、動かせる置き家具だと決めることもできません。
故人宅の家財全体について相談するときも、耐火金庫はほかの家具に埋もれないよう別に伝えます。本体全体と銘板、扉、床との接続、設置場所から出入口までの様子が分かれば、金庫そのものと建物側の条件を分けて説明できます。
手提げ金庫なら、耐火金庫と同じ扱いではない
同じ「金庫」という名前でも、手提げ金庫は広島市での扱いが異なります。広島市の大型ごみ自己搬入案内では、30cm以上の手提げ金庫は持込み対象で、30cm未満は不燃ごみです。耐火金庫は市で処分できないごみとして、手提げ金庫とは別に案内されています。広島市の持込み案内では、30cm以上の手提げ金庫について、中が確認できるよう鍵をかけないことも条件として示されています。