遺品整理では、資格確認書が財布から、高齢受給者証が通院用のポーチから、限度額適用認定証が医療費の領収書と一緒に出てくることがあります。似た役割の書類が別々の場所にあるため、見つけた一枚だけを返したり、有効期限を見て処分したりしがちです。
勤務先の健康保険では、故人が保険の「本人」であったか、家族の「被扶養者」であったかによって手続きの経路が変わります。返納先を決める前に、関係しそうな原本を裁断や廃棄をせず一つに集めるところから始めます。
保険関係の書類を「返納候補」として集める

最初の段階では、家族だけで返納の要否を選別する必要はありません。書類の名称、有効期限、発行元が違っていても、故人の健康保険に関係しそうなものは同じファイルへ移します。
資格確認書の周囲にある認定証も探す
保管する候補は、資格確認書だけではありません。次の書類が見つかった場合も、返納先へ確認するまで残しておきます。
- 資格確認書
- 高齢受給者証
- 健康保険限度額適用認定証
- 健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証
- 健康保険特定疾病療養受療証
- 旧来の健康保険証
交付状況や有効期限によって実際に返す書類は異なります。有効期限が切れているように見えるものも、その場で処分せず、返納確認が済んだ書類と分けておくと混乱しません。
故人が保険の本人なら、家族分も確認する
故人が勤務先の健康保険の被保険者だった場合、日本年金機構の案内では、本人分に加えて被扶養者分の資格確認書なども手続き上の確認対象になります。同じ発行元の書類が配偶者や家族に交付されていないか、勤務先へ連絡するときに併せて確認します。
一つのファイルに入れておくもの
- 見つかった健康保険関係書類の原本
- 故人の氏名と死亡日を書いた連絡用メモ
- 勤務先名や部署名がわかる名刺・封筒
- 資格確認書などに記載された発行元を控えたメモ
- 故人が被保険者本人か被扶養者かについて、家族が把握している情報
死亡診断書や戸籍など、別の手続きに使う原本まで同じ返送用封筒へ入れるのは避けます。ここで作るのは、あくまで連絡時に確認しやすくするための「保険書類の束」です。
連絡経路は「被保険者本人」か「被扶養者」かで分ける

書類がまとまったら、故人の加入上の立場を確認します。会社名が書かれた物が見つかったという理由だけで、その会社へ原本を送るのではなく、電話などで在籍状況と手続きの窓口を確かめます。
故人が勤務先の健康保険の本人だった場合
勤務先の健康保険・厚生年金保険に加入していた従業員本人が亡くなった場合は、事業主が資格喪失の手続きを行います。日本年金機構の従業員が退職・死亡したときの公式案内では、交付されている資格確認書、高齢受給者証、限度額適用認定証などについて、条件に応じた回収・添付が示されています。
家族の連絡先は、故人が在籍していた勤務先の人事・総務などが基本になります。勤務先が手続きを終えている場合もあるため、手元に残った書類名を伝え、どの原本をどこへ返すか確認します。
故人が家族の健康保険の被扶養者だった場合
たとえば、亡くなった親や配偶者が家族の勤務先の健康保険に入っていた場合は、その被保険者の勤務先を通じて被扶養者の異動手続きを行います。日本年金機構の被扶養者に異動があったときの公式案内でも、死亡による異動と資格確認書などの返却に関する扱いを確認できます。
この場合、故人が以前勤めていた会社ではなく、故人を扶養していた被保険者の勤務先が窓口になる可能性があります。家族関係だけで推測せず、資格確認書の発行元と加入状況を照らし合わせます。
勤務先の保険か判断できない書類は発行元へ
ここで参照している日本年金機構の案内は、勤務先の健康保険・厚生年金保険に関するものです。書類に市区町村名や別の制度名が記載されている場合、勤務先経由の案内がそのまま当てはまるとは限りません。資格確認書や認定証に記載された発行元へ、死亡後の返納先と必要書類を確認します。
返送前の連絡で「何を・どこへ」を確定する

返す書類が揃っていても、宛先や送付方法を家族だけで決める必要はありません。資格確認書にある発行元、故人の勤務先、被保険者である家族の勤務先のうち、該当する窓口へ連絡し、原本を動かす前に返納方法を確定します。
電話では書類名を省略せずに伝える
「保険のカードがあります」だけでは、資格確認書なのか、高齢受給者証なのかが伝わりません。手元の書類を見ながら、次のように伝えると確認事項を切り分けやすくなります。
故人の遺品から、そちらの発行と思われる資格確認書、高齢受給者証、限度額適用認定証が見つかりました。故人は被保険者本人、または家族の被扶養者でした。勤務先を通して返すのか、発行元へ直接返すのか、必要な原本と送付先を確認したいです。
あわせて、有効期限が切れた書類を含めるか、家族分の書類も必要か、送付先の部署名、推奨される送付方法を尋ねます。見つからない書類がある場合も、写真やコピーを代わりに送ると判断せず、その旨を窓口へ伝えます。
処分作業から離れた場所にファイルを置く
連絡から返送まで日が空くと、保管中の書類が再び家財へ紛れることがあります。保険書類のファイルは処分品の箱や搬出動線から離し、管理する家族を一人決めておくと、誤廃棄を防ぎやすくなります。
神奈川県内で家財整理全体の相談先を探している場合は、神奈川県の遺品整理地域ページも確認できます。ただし、資格確認書などの返納要否と宛先は、勤務先または書類の発行元へ直接確かめてください。
資格確認書だけを先に返すのではなく、受給者証や認定証を同じ束にしてから一本の連絡を入れる。その順序なら、故人の加入上の立場と返納対象を同時に確認でき、書類を捨てた後で探し直す事態を避けられます。