遺品整理をしていると、机の引き出しや金庫、書類棚などから故人名義の通帳やキャッシュカードが見つかることがあります。長い間記帳されていない通帳や、現在は使われていない銀行名のものが出てくることもあるでしょう。残高が気になるところですが、故人の暗証番号を使ってATMを操作したり、家族の判断だけでお金を引き出したりするのは避け、相続の手続きが分かるまでは大切に保管しておくほうが安心です。
古い通帳もすぐには処分しない

遺品の中から見つかる通帳が、最近まで使われていたものとは限りません。何年も記帳されていないものや、銀行の合併・名称変更によって現在とは違う金融機関名が書かれたものが残っていることもあります。一見すると不要に思える古い通帳でも、故人がどの金融機関に口座を持っていたのかを知る手掛かりになる場合があります。新しい通帳だけを残して古いものを捨てるのではなく、相続に必要な確認が済むまでは一緒に保管しておくとよいでしょう。複数の通帳が見つかった場合は、金融機関ごとにまとめておくと、あとから確認するときにも分かりやすくなります。
暗証番号が分かってもATMは使わない

通帳と一緒にキャッシュカードや暗証番号を書いたメモが見つかることもあります。番号が分かれば残高を確認したくなるかもしれませんが、故人のカードを使ってATMを操作するのではなく、金融機関が案内する相続手続きに沿って確認するのが基本です。また、家族それぞれが通帳やカードを別々に持ち帰ってしまうと、「どの銀行のものが何冊あったのか」が分かりにくくなります。金融関係のものはできるだけ一か所にまとめ、家族の中で誰が保管しているのか分かるようにしておくと、その後の手続きを進めやすくなります。
通帳の近くに印鑑や証書が残っていることも

通帳が見つかった場所の近くには、印鑑や定期預金の証書、銀行から届いた郵便物などが残っていることがあります。小さな鍵が一緒に保管されている場合は、貸金庫などに関係するものかもしれません。どの印鑑を銀行へ届け出ていたのか家族には分からないこともありますが、その場で必要か不要かを判断する必要はありません。金融機関との手続きが終わるまでは、関係がありそうなものを通帳と一緒に残しておくほうが安心です。遺品整理では書類や小物を一度に大量に処分することがありますが、こうした小さなものほど、あとになって必要だったと気づくことがあります。
口座の手続きは金融機関へ確認しながら進める

故人が利用していた金融機関が分かったら、相続についての窓口へ連絡し、その後の手続きを確認します。必要になる書類や残高証明書の取得方法などは金融機関によって異なるため、手元にある通帳やカードを確認しながら案内に沿って進めることになります。複数の銀行口座が見つかった場合も、慌ててすべてを一度に処理する必要はありません。家族の中で手続きを担当する人を決めておけば、同じ金融機関へ何度も問い合わせたり、必要な書類が別々の家に分かれてしまったりするのを防ぎやすくなります。家財の中から通帳や印鑑などを探しながら片付ける必要がある場合は、遺品整理サービスを利用しながら、金融関係のものを処分せずに残して仕分けを進める方法もあります。
まとめ
遺品整理で通帳やキャッシュカードが見つかったら、古いものだからとすぐに処分する必要はありません。現在は使われていない銀行名の通帳でも、故人の口座を確認する手掛かりになることがあります。通帳だけでなく、キャッシュカードや印鑑、預金に関する証書、銀行から届いた郵便物なども、手続きが終わるまでは一緒に残しておくと安心です。大切なのは、残高を急いで確認することよりも、どの金融機関に何が残っているのかを家族で把握することです。そのうえで金融機関の案内に沿って相続手続きを進めれば、片付けの途中で必要なものを誤って処分してしまうことも防ぎやすくなります。